『コミュニケーションツールと“持ち寄り型”プロジェクトマネジメント』#DevKanに参加してきました
2015.04.11にあった表題のDevLove関西の勉強会に参加してきました。
ポエム駆動開発エンタープライズ
Poem Driven Development Enterprise // Speaker Deck
今回のテーマ:再現性を作りたい
元になった考え
ポエム駆動開発によるWebサービスの作り方pplog
ポエムとは: サービスを開発する上での思い サービスを開発する前にポエムを書くこと。 開発で迷ったらポエムに立ち帰る。 設計内容のドキュメントというような堅苦しい話ではなく、開発のコンテキストを共有したい。
『ピクシブ株式会社のビジョン・ミッション』
創作活動がもっと楽しくなる場所を作ること
ポエム駆動開発「エンタープライズ」
エンタープライズであることによる違い
- 情熱を大事にはするが、経営資源の投入を行うので「ほかをやらない理由」を書かなければならない。
- 「人をよこせ サーバーを使うぞ」といった要求が飛び交う。
ポエムから起ち上がるプロジェクトの実例
pixivチャット:
メンテされない。塩漬け状態。やめようという話になっていた
数人がpixivチャットにかける思いをポエムに書き始めた
『pixivチャットをやめるのは良くないと思います』というポエム
→ 肉付け: 何人がどれくらいでどういうものを作ります
結果としてポエムをきっかけとしてサービス改善として開発することになり、開発計画もポエムからできた。
pixivでの開発について
開発スタイル:アジャイル
エンジニア勉強会を行っている
ある日、開発の天啓を得る
- 計測結果
- お問い合わせ
- 世の中の趙声
天啓は揮発性が高い: 飲み会 含む 普段の会話
なぜポエムか?
- 日報 その日のことしか書けない
- ビジネス文書 エモいことを書けない
- チャット 流れてしまう
オフシャルな形でポエムプラットフォームを導入
ドキュメント共有ツール>esa
結果:
- 議事録などもポエムで書かれるように
- 参加していないメンバーでもわかりやすくなった
- ポエムを通じていろんなプロジェクトが持ち寄られる状態になった
- 社内のサービスはリリース後も開発者以外も触ってみて感想を書かれるようになった
導入のためにやったこと
- オフィシャルなプロジェクトとしてesaとポエムの導入をきちんとプロジェクトとしてたちあげ
コミュニケーションツールの炎上 導入には慎重になっていた - ツールの意図の説明
- 理想の利用者を演じる
- 意図と違う使い方を黙認
してないこと
- カテゴリー分け
- 細かいルール策定
社会活動を起こす方法を参考にする。→ハブみたいな人が乗ってくれた
感想
プロダクトやサービスにかける思いなどは確かに共有することは難しいです。
自分の会社では週報の所感として、そういう思いを書くことはありますが、それが他の開発をしている人などには伝わっていないのでもったいないなとおもいました。
ポエムという形で、設計というような堅苦しい話ではなくほかのチームやメンバーの開発がどういう思いでプロダクトを作っているか共有するのは素晴らしいと思います。
そこから実際のプロジェクトの起動までつながるのがちょっと想像の範囲外でした。
ちゃんとしたプロジェクトとしてポエムやesaの導入をやっているのでトップダウンな面もあり、ポエム自体の布教というボトムアップな面もあり、といったことがコミュニケーションツールとして幅広く受け入られた理由だと思います。
参考にしていきたいです。
ストック型+フロー型ツールで周りを巻き込んで導入した話
株式会社TAM 白石 尚也さん
コミュニケーションツール
ストック型 Qiita Team, DocBase, esa
フロー型 Slack
今回はDocBaseを導入した話
導入前に困っていたこと
やっている仕事はパートナー型デジタルプロダクション 。 お客様とタッグを組んでPDCAを回す。
- Web連携CRMSalesforce連携開発の受託開発業務
社内では誰もやっていないことをチャレンジする案件がほとんど。
必ずはまるポイントがある。
お客様満足度 品質を追求
昼夜を問わず働くことも。
疲弊しない受託開発をするためにチーム力向上を図る
自分がはまったことは必ず他の人もはまる。
どうやって解決したかを共有し、他の人が同じことではまらないようにしたい。
ストック型のコミュニケーションツールを使ってみよう
導入のコツ
Qiita Team : Qiitaが有名
esa : デザインがかわいい
DocBase : シンプル
エンジニアじゃない人が大半のメンバーである中で1週間ずつ試用してみた。
Qiita Team
機能は一番豊富だが、プロジェクト・タグ・メンバーから記事が探しにくい。
エンジニアじゃない人が多いため、マークダウンなどに馴染みがない。
投稿ボタンの場所がわからず投稿できなかった(解像度の問題)
esa
女性に好評 かわいい。
なぜ英語?直感的に使いづらい。
カテゴリやタグ付けがわからない。
WIPの意味がわからない インターネットカフェ?
DocBase
シンプルでわかりやすい。 エディタ機能でMarkdown出なくても描きやすい。 投稿ボタンも見える。 メニューから記事が探しやすい。 自分の活動、ほかの人の活動が見えやすい。
リーダーの説得を行い、DocBaseの導入を少人数(3人)でスタート
振り返りでわかったこと
何をかいてよいかわからない
→ 暗黙知をつくるな、すべてを形式知にかえよ
全部をドキュメントに変えよう。
誰か一人が知っているではなくて、全員が知っている状態にしよう投稿を通知して読んでもらう仕組み
- 読んだということを知らせるために いいね や コメント
- あのコメントを書いた人ならもしかして知っているかもということからコミュニケーションが取りやすくなった。
課題:
- 記事の精度
- タグ煩雑になりそう タグの運用はどうすれば
やってよかったこと
- やりたいことがある人は少人数で試してみる
- どんなことでも残っている安心感が得られる
感想
うちの会社ではAtlassianのConfluenceをドキュメントベースの情報共有に使っていますが、使っているのはまだエンジニアがほとんどだと思います。
エンジニアじゃないひとに情報共有の仕組みを広めていくためには、Qiita Teamやesaを試用してみたときの課題が大変参考になると思いました。
投稿を通知して読んでもらう仕組みに関してはまだまだできていないのでこれから考えていかなければと思います。
「あのコメントを書いた人ならもしかして知っているかもということからコミュニケーションが取りやすくなった。」というのを実現していきたいです。
SlackをTAMに導入した話
株式会社TAM CTO 松尾 浩志さん
Slackとは
既存のコミュニケーションツール:メール・チャット(Skype)
Skypeプライベート クローズドなツール
グループチャットをすると他のメンバーには存在すらわからない。
Slack導入に向かった経緯
- ふわっとした情報の共有がしたい。
- 便利なショートカットがあった
- Wordpressのプラグインがある
- あれはバックログに書いた あれはチャットに書いた という状態をなくしたい
- GitHubなどの通知がタイムラインに流れてくる
- さわってみて これいけてるという感じがあった
チャンネルのタイプ
- 全員が参加するオープンなチャンネル
- 誰でも入れるオーブンなチャンネル
- クローズドなプロジェクト単位でのチャンネル
- 一対一のチャンネル
導入してみて
- デフォルトで通知の設定が簡単にできる。
- heroku jenkins githubとの連携が簡単。IFTTTも活用
- Slackの画面をみていると情報が集まるようになってきた
Hubotの活用 ChatOps
Javascript (Node.js) + Herokuで手軽にOK
コミュニケーション上の工夫
どうやって使ってもらうか?
導入時のみなさんの反応タイプ
- 新しいもの好き、積極的 少数派
- ツールは特になんでもいい 多数派
- めんどくさい・・・ 多数派
- 絶対イヤ 少数派
導入の障壁を壊すために
和む雰囲気をつくる。
お堅い雰囲気だとなかなか浸透しない。
業務外のチャンネルを作って、好きそうな人を招待。
例:今日飲みたい人のチャンネル
TAMくんbotがなごませ要員
- 定期的に投稿
- 人の話に反応
お昼 〜が食べたい ビールが飲みたい - 画像を検索: Tamくんimage 「明日も勝つ」
「質問たらい回し作戦」
誰かが全体に質問する。
誰も答えない・・・
→ このままだと質問してくれなくなる
答えがわからないときは、中継して他の人に聞いてみる メンション
Slack導入してみて
「持ち寄れる下地」がやっとできた。
全社メールしかなかったら質問ができなかった。
「良い仕組み」を持つツールがフィットすると仕事の流れが予想以上に良い方向に変わるケースもある。
遊び要素、和み要素が重要
仕組みを作った はい終わりではなくコミュニケーションを活発にしていく努力を継続的にしていく必要が有る
感想:
「Slack羨ましい。使ってみたい」という気になりました。
興味を持ってくれそうな人、積極的に使ってくれる人をハブにするのと、継続的に使ってくれるように努力していくことがコミュニケーションツールの導入には大事だなと感じました。
とくに、チャットルームに仕事に直接関係すること以外の「部活」「今日飲みに行きたい人」などを用意することや、botに面白いリアクションを返させるなどの和み要素を設けることはうちでは全然できていないので参考にしていきたいです。