プロダクトファーストな考え方と、エンジニアとして主体的に働くこと
エンジニアとして主体的(アカウンタブル)であることを放棄している状態というのがいくつかあります。
- 上から言われた仕様や要件を実現させるだけのための技術的な解決方法やスケジュールにだけこだわってリリースすること
- 別のエンジニアや組織に発注する側である場合、自分たちの要件についての交渉可能性を放棄し、「私たちはあなたたちのこれができていないせいで困っている。とにかく何とかしろ」という態度で望むこと
結論としてはプロダクトのオーナーと「要求」には合意している状態で、「要件」については「交渉可能」である状態であるというのが望ましいのではないでしょうか。
つまり、「これをやりたいんだ」ということに関しては合意していて、それをどう実現するかについては交渉可能な状態であることです。
よく例として挙げられるのがオレゴン大学の実験の話です。
顧客が本当に必要だったものとは (コキャクガホントウニヒツヨウダッタモノとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
プロダクトオーナーと要件について交渉が可能であれば、少なくともこうした事態は避けられるのではないかというのが個人的な実感です。
前職であるeコマースの会社では元エンジニアであったデータマーケティングの担当者がこうした要求をこちらに伝えたうえで、要件に関してはこちらとの交渉可能性を残してくれている状態でした。
結果としてそのプロジェクトに関して、自分は(プロフェッショナルであるべきアーキテクトに関して)アカウンタブルな状況でのぞむことができ、ある一定の成果を出せたのですが、それは要件の合意について交渉かのうであったことが一番の大きな理由だと思います。
アカウンタブルであったため、シチュエーショニング(その要件や要求を整えるための状況の作成)についても気を使うことができ、他のエンジニアに発注する側であったとしても要求の「Why」の部分を伝えることに注力したつもりです。(ただしこれはまだまだ未熟な部分も多かったのですが)
もちろん、個人個人の働く環境によってこんな交渉が可能な状態でいつも仕事ができるわけではないかと思いますが、エンジニアの成長可能性を一番高めるのはこうしたことが実現されていることなのではないかと思います。