『農業の「現場」から生まれた業務改善サービス「houren.so」の話を聞いてみる』#DevKanに参加してきました
2015.04.10にDevLove関西の表題の勉強会に参加してきました。
www.slideshare.net
株式会社日本情報化農業研究所 農業技術部部長 齋藤 毅さん
houren.soとは
体を動かして作業する人がいる現場のツール・グループウェア 何かの作業をした後、画像を投稿することで、誰がいつどんな作業をやったか報告できる
植物学「低コストの栽培技術をまとめる」 というところから プログラミングの道へ
なぜこのアプリが開発されたのか?
研究のための農作業の日報
報告する側
農業で1日作業すると疲れきっている。 会社への報告を業務アプリで書いていたが、疲れすぎた状態で日報を書くのはツライ。 しかし、報告しないとサボり扱い。。。報告される側
面倒なので読まないが提出だけはチェックしている
夜、無理をして作業日報を書く → 睡眠不足 → 翌日の作業が危ない!
怪我や命にかかわることも多い
作業ブログ → 事細かく書くように要求されているため「メモ」が必要
だが、メモを残しづらい
- 雨が多過ぎる気候 → メモ帳はすぐ使い物にならなく
- 寒いときは手袋を外したくない
- 農薬散布はフル防護服 (散布する人は超危険)
なんとか簡単に情報を伝えることができないかと、試しに作業時に写真を撮って熟練者に見せてみた。
- 作業前、作業後、使った機械
写真を見たら作業した面積がわかる
仮説:大事なことは写真だけで大半が伝わるのではないか?
→ Exifの情報を並べるだけで十分な日報に
検証:写真による報告の効用
- Webで販促を行っている とにかく写真が欲しい
例:トマトが熟している写真が欲しい → 報告で使っていた写真を検索で使う - 報告以外でも、農業の作業場の風景などをなんとなく写真に
→そのまま栽培の教科書に - 報告はテキストより写真のほうがわかりやすいことがわかった
- 農業では写真を活用する文化がまだなかったが、活用方法は多岐にありそう
- Exif(撮影日、GPS)があるので、後日投稿でも質が落ちない
→ 雨の時にまとめて送信など - 相談も写真があればわかりやすい
熟練者が見れば、畑の画像などから『「この色のおかしい箇所」はなんだ?』というところから、実際にはカビがあるということの発見につながる。
→ 画像でノウハウなどの弱い共有ができる
設計:
* 写真と日付 を グループ単位で クローズドに投稿する
* シンプルで便利にする
* 狙いは、写真の投稿者の負担をかけず、投稿のハードルを下げるため
* 時系列のまとめ機能
* 投稿者はほとんど情報を持たず、グループがもつ情報がほとんどにする
投稿するだけで報告になるというUX主眼の機能設計
検索の仕方
- タグで検索
- 月で検索 : 7月 → トマト
感想
開発の話について、以下のことがすばらしいとおもいました。
- 開発までいたるプロセスとして、きっかけがあって仮説をたて、それを最小限の単位で検証している
MVP的なアプローチ - 完全にUX主眼の設計になっており、デザイン主導になっていない
houren.so自体は、目視確認を行う作業がある現場は農業以外でも様々な場面で活用ができそうです。